H1 018 2018 Winter Kizzna 見えなかった景色が見えてくる「気づきのマガジン」“紲” 希望を紡ぐ力になりたい。 Interview 国立成育医療研究センターもみじの家 内多 勝康さん ? P02-03 誰もが誰かのために 共に生きる社会をめざして 私たち日本ケアフィット共育機構は、サービス介助士をはじめとする学びの提供、障がい者就労支援などの誰もが暮らしやすい場所づくり、ボランティア活動による実践、そして気づきのマガジン『紲 Kizzna』などの媒体を活用した情報発信といった取り組みを通して、あらゆる“ちがい”を超えて誰もが誰かを支え、支えられた人がまた誰かを支える、そんな社会を目指しています。 日本ケアフィット共育機構がご提供する学び 認知症介助士 誰もがなり得る認知症について、正しい知識と応対方法を学ぶ資格。 サービス介助士 高齢の人や障がいのある人をお手伝いするときの「おもてなしの心」と「介助技術」を学ぶ資格。 シニアフードアドバイザー 家族や大切な人といつまでも安心に食事を楽しめるよう、「食」に関する幅広い知識を学ぶ資格。 防災介助士 災害にどのように備えるか、災害時にどのように行動するかを理解、実践する資格。 日本ケアフィット共育機構の取り組み パラスポーツをはじめとする各種イベントへのボランティア参加、障がい者就労支援事業、企業・自治体向けの各種コンサルティングなどを行っています。 問い合わせ・資料請求 公益財団法人 日本ケアフィット共育機構 〒101-0061 東京都千代田区神田三崎町2-2-6 TEL: 03-6261-2333 FAX: 03-6261-2334 WEB: https://www.carefit.org/ 公益財団法人 日本ケアフィット共育機構 そっと、さっと、あんしんを。 Kizzna 見えなかった景色が見えてくる「気づきのマガジン」“紲” 018 2018 Winter CONTENTS 04 Interview 夢を、夢で終わらせないために。 国立研究開発法人 国立成育医療研究センター もみじの家 ハウスマネージャー 社会福祉士 内多 勝康さん 10 ミライツクリビト NPO法人CRファクトリー 代表理事 呉 晢煥さん 12 Care-Fit Express 14 介助士トピックス 16 サービス介助士導入レポート 「社会福祉法人 文京区社会福祉協議会」 22 Interview with top runners 新しい価値を生み出す、 “誰もが幸せに働き続けられる”職場 株式会社アトレ 北川 円呼さん 横山 恵利香さん 高橋 愛美さん 松永 敏子さん 発行人 畑中 稔 発行所 公益財団法人 日本ケアフィット共育機構 〒101-0061 東京都千代田区神田三崎町2-2-6 TEL:03-6261-2333 FAX:03-6261-2334 URL: https://www.carefit.org E-mail: toiawase@carefit.org 製作 タクトシステム株式会社 制作 株式会社フリート 編集長 中川純一 編集 城田晃久 取材・文 城田晃久 撮影 和田咲子 西原樹里  アートディレクション&デザイン 笛木 暁 印刷 日経印刷株式会社 本誌の一部あるいは全部を無断で複写、複製、転載することは禁じます。 ?Kizzna 2018 Printed in Japan ? P04-09 夢を、夢で終わらせないために。 国立研究開発法人 国立成育医療研究センター もみじの家 ハウスマネージャー 社会福祉士 内多 勝康さん NHKのアナウンサーから52歳にして転職し、医療型短期入所施設「もみじの家」でハウスマネージャーとしてお勤めの内多さん。 思い切った転職の裏には、社会のなかで支援の手が行き届かない人たちに希望を持ってほしいという、熱い思いが秘められていました。 “世界で一番安全に赤ちゃんが生まれる国”ならではの課題 ??最近、医療的ケア児という言葉をよく聞くようになりましたが、どのような子どもたちなのでしょうか。  日本は小児医療の分野では世界トップクラスで、新生児死亡率の低さが世界一なんです。世界で一番赤ちゃんが安全に生まれる国なんですね。その一方で、呼吸器の障がいや口から物を食べられない子どもも増えていて、人工呼吸器で呼吸を助けてあげたり、チューブを通して栄養や水分を入れてあげたりという「医療的ケア」が必要な子どもがいます。そういった医療的ケア児は、現在、日本に約1万8000人いると言われています。 ??内多さんがハウスマネージャーを務められている「もみじの家」は、医療的ケア児が短期入所できる施設なのですね。  はい。近年、人工呼吸器がコンパクトになって家でも操作できるようになったり、NICU(新生児集中治療室)の満床状態が続いたりして、状態の安定した子どもから退院していく、という流れができてきました。すると、病院ではドクターや看護師が担っていた医療処置を、ご家族がしなければいけなくなる。すぐに痰が詰まってしまったり、寝返りをうてなかったりする子どももいますから、ご家族は夜もなかなか眠れないし、外出もままなりません。その結果、社会から孤立してしまうといった問題が起きてしまいます。そこで開設されたのがこの「もみじの家」です。ここでは24時間365日、医療的ケアを看護師が担いますし、ご希望があればご家族にも泊まっていただけますから、安心してくつろいでいただけるというわけです。 ??ご家族には、とてもありがたいことですよね。  そうですね。お母さん方からは「こういう施設を待ち望んでいました」という言葉をお聞きします。入所の説明の際にお茶を出すと、「こんなにゆったりお茶を飲んだのは久しぶりです」とおっしゃるんですね。それくらい日常生活に余裕がないんですよ。「子どもが楽しそうに遊んでくれて、私も嬉しいです」という言葉の裏には、普段は楽しい日常がないということ。そんなちょっとした言葉が心に刺さりますね。 ??皆さん、大変な思いをなさっているんですね。  子どもの世話のことですから、家族の責任として見られがちなのですが、家族だけで支えられる限界は、もう超えているのが現状です。私は、高齢者に介護保険があるように、医療的ケア児についても、社会で支える支援モデルが必要なのではないかと考えています。元マスコミの人間として、そういった問題提起を発信する役割も担っていきたいと思っています。 ??内多さんが、NHKのアナウンサーから「もみじの家」に転職された経緯を教えてください。  今から5年前に、番組の取材を通して医療的ケア児の問題を知り、ショックを受けました。豊かな先進国の日本で、こんなにも苦しみながら生活している人がいるなんて、と。当時は放送を通じて問題を提起することしかできませんでしたが、ずっと心に引っかかっていました。そして、その番組から1年くらい経った頃に、取材で知り合った方から、この「もみじの家」のハウスマネージャーをやってみないか、と打診されたんです。詳しい話を聞きに行ったところ、出迎えてくれたのが、番組でお世話になった小児科の先生でした。それで運命を感じてしまったんですよね。 ??全くの異業種に転職されるのには相当な勇気が必要だったのではないですか?  確かにそうかもしれません。ただ、当時の私は年齢も50歳を超えて、そろそろ後進に道を譲ろうかという時期で、先が見えている状態に差し掛かっていました。一方で、国立成育医療研究センターがつくった素晴らしい施設に、実務経験のない私を迎え入れてくれるというお話をいただいたわけです。5年前に感じた問題意識に対してひとつの答えを出せる現場であることは確かですし、これを断ったら一生後悔するだろうと、思い切って飛び込むことにしたんです。 ??苦労されたことも多いのでは?  それはもう、ハウスマネージャーってなに? というところから始まりましたから(笑)。一番大切な仕事は年間の事業計画を立てることなのですが、事業計画なんて立てたこともないですし、Excelの使い方もわからない。会議では怒られっぱなしで、ずいぶんへこみましたよ。50歳を超えてこんなに怒られることもないですからね。ただ、周りの人たちに助けてもらいながら続けるうちに、仕事のサイクルが染み付いて、少しは楽になってきたところかな、と思います。 ??現在取り組んでいることはありますか?  「もみじの家」に登録されているご家族や医療福祉関係者、マスコミの皆さんで集まって、ディスカッションできるイベントを開催しています。今年の1月には「医療的ケア児と家族の主張コンクール」という、どこかで聞いたようなタイトルで開催したのですが(笑)、そこでとあるお母さんが「夢のケアハウスをつくりたい」という内容のスピーチをしてくれたんです。「住み慣れた地域で、家族一緒に安心して暮らすのが夢」と語ってくれました。私はそれを聞いて、これを夢で終わらせず、現実に近づけることができるかもしれない、と考え、次のイベントで現実に向けたディスカッションを実施したんです。 ??具体的にはどのようなことでしょう。  実は、全国に目を向けると、ある地域では医療的ケアが必要であっても普通に小学校に通えていたり、お母さんが子どもを預けて働きに出られる仕組みをつくっていたりするんです。ですから、医療的ケア児の希望する幼稚園や学校での受け入れを実現している地域や、母親の就労をサポートしている事業所などに発表してもらい、そのノウハウを共有してもらうことにしました。発表に対して会場からは活発な意見や質問が飛び交い、イベントが終わる頃には“夢のケアハウス”の実現に向けての輪郭がはっきりしてきたように感じました。 ??きっとお母さん方も希望を感じられたでしょうね。内多さんご自身の夢はどんなことですか?  定年退職するまでに、第二の「もみじの家」ができるというニュースを聞けたら本望ですね。そのためには、寄付に頼らずに「もみじの家」を持続可能な事業として運営するための公的な制度が必要です。すでに「もみじの家」のような施設をつくりたいという声は全国各地から聞こえてきているので、制度が整えば、第二の「もみじの家」が必ずどこかでつくられます。そして、それをモデルにしてどんどん全国に広がっていくはずです。だからその第二の「もみじの家」のニュースを聞くのが、私の夢です。 ??読者にメッセージをお願いします。  よく講演会のあとに「私にはなにができますか?」と聞かれます。そこでいつも答えているのは、まずはお金の支援が一番ありがたいです、ということ。公的な制度が不十分な現在では、どこの福祉施設も経営が厳しいのが現状です。ただ、お金に余裕がある人ばかりではありませんから、次に考えてほしいのは、時間と身体を使っていただくボランティアですね。例えば、外出できないお母さんの代わりにゴミ出しを手伝ったり、買い物に行ったり。話し相手になるだけでも喜ばれると思いますよ。必要とされる支援は個々に違いますから、まずは寄り添っていただいて、そこから見えてくるニーズに、皆さんができる範囲で応えてあげてほしいと思います。 Profile うちだ かつやす/1963年生まれ。1986年NHKに入局、アナウンサーとして活躍。医療的ケア児の取材をきっかけに支援者の道を選択し、2016年にNHKを退職。現在、医療型短期入所施設「もみじの家」ハウスマネージャーとして勤務中。社会福祉士の資格を持つ。 断ったら一生後悔するだろうと、思い切って飛び込みました。 第二の「もみじの家」のニュースを聞くのが、私の夢です。 INFORMATION 「もみじの家」では、皆さまからの寄付を募集しています。詳細はこちらからご覧ください。 http://home-from-home.jp/donation/ 紲WEB版“リベル・ケアフィット” 「もみじの家」や内多さんについてもっと知りたい方は、紲WEB版“リベル・ケアフィット”をご覧ください。 「もみじの家」の名前の由来 建物の入り口付近や中庭に、立派なもみじの木が植えられている「もみじの家」。ところが、名前の由来は、植物のもみじではないのだそうです。実は、設立の際に大きな支援をいただいた喜谷昌代さんという方のマインドを受け継ごうという思いから、喜谷さんが組織している慈善団体の名前「Momiji」を元に名付けたのだとか。内多さんは「だから、もみじの木は後付けなんです」と笑いますが、きっとこの「紲」が出る頃には、綺麗に色づいたもみじを、子どもたちとご家族が笑顔で眺めていることでしょう。 ? P10-11 ミライツクリビト 未来を見据え、どんな困難も楽しみながら乗り越える。 そんな人生の達人を、私たちは『ミライツクリビト』と名づけました。 NPO法人CRファクトリー 代表理事 呉 晢煥さん 一人ひとりが自分を肯定できれば、世界は平和に近づける。 誰もが自分らしくいられる コミュニティづくり  「大学生の頃、女の子にふられて、3ヵ月間家に引きこもっていたことがあるんですよ」。インタビュー中に飛び出した仰天エピソード。「髪も伸び放題でね。夜になると海まで散歩して、日が昇ったら帰ってきて引きこもる。なかなかヤバい奴ですよね」。居留守を使っても仲間たちがひっきりなしに訪れ、しまいには親友に殴られてボロボロ泣いて、社会に戻ることができた。  一緒に楽しむだけでなく、辛いときには助け合える「コミュニティの力」を体感したできごとのひとつとして、そんな若かりし頃のほろ苦い思い出を語ってくれたのが、今回のミライツクリビト、呉晢煥さんだ。その明瞭な語り口調と、場を和ませる魅力的な笑顔に、いつのまにか彼の世界に引き込まれてしまう。それはきっと、彼が代表理事を務めるCRファクトリーのセミナーやワークショップに参加する人たちも同じだろう。  社会問題を扱うドキュメンタリー映画の監督だった父や、社会派の母の影響もあり、幼い頃から漠然と「世の中をよくするにはどうしたらいいのだろう」と考えていたという呉さん。大学時代に友人(引きこもりから解放してくれた親友だ)の誘いでボランティアサークルに所属し、自分を温かく受け入れてくれる仲間たちと心豊かな時間を過ごすうちに、「この感覚を広めれば、もっとよい社会がつくれる!」と直感。以来、「誰もが居場所として感じられるコミュニティづくり」を人生のテーマに掲げて、活動を続けてきた。 揺るぎない信念の源は いつでも帰れる場所  呉さんたちが目指すのは“強くあたたかい組織”。「“自分はありのままでも価値がある”と感じられるには、仲間や理解者がいて、愛されているという感覚を持てること。いつでも帰れるベースキャンプがあるからこそ、人は自己肯定感を得られて、自分らしさを発揮できるんです」。ご縁もありますけどね、と呉さん。ボランティアサークルに誘われなければ今の活動はなかったかもしれない。つまり出会いは偶発性。だからこそ、社会や行政に働きかけて、もっとたくさんの人と人とがつながれる場をつくりたい。  26歳のときに会社を辞めて、事業がうまくいかずに電気やガスが止まるような生活を経験しても、コミュニティづくりで世界を変えたいという思いは変わらなかった。きっとそれは、呉さん自身に、仲間や家族という“ベースキャンプ”があったからなのだろう。「一人ひとりがもっと自分を肯定できるようになれば、暴力も減るし、社会は変わっていくと思うんです」。目標は、世界平和。決して大それた夢ではない。 10歳の息子とキャッチボールをしたり、妻と3人でアウトドアやキャンプへ出かけたりするのが至福のひととき。 短期セミナーから数カ月にわたって実施されるワークショップ。個別コンサルといった活動を通して、よい組織(コミュニティ)の元となる「メンバーと一緒に活動することが楽しい」という居心地のよさのつくり方を伝えている。 セミナーの参加者がその場で描いてくれたという絵手紙。出会いは人の心を動かす源だ。 Profile NPO法人CRファクトリー 代表理事 呉 晢煥(ご てつあき) 1974年東京都生まれ。静岡大学卒業後、東京で就職。3年間勤めた後、2001年に任意団体として現在につながる活動を開始。2005年にNPO法人CRファクトリーを立ち上げ、今に至る。コミュニティ塾主宰、コミュニティキャピタル研究会共同代表。 NPO法人CRファクトリー 2005年設立。『すべての人が居場所と仲間を持って心豊かに生きる社会の実現』をビジョンとし、セミナーやワークショップの開催を通して、市民団体、NPO法人、サークルといった地域や社会で活動する団体組織向けの組織運営、マネジメント支援サービスを提供している。 HP:http://crfactory.com/ ? P12-13 Care-Fit Express ケアフィットエクスプレス このページでは、日本ケアフィット共育機構の活動や、共生社会に向けた取り組みに関するトピックをお知らせします。 ボランティア リレーションセンターTASKALが、JFA「リスペクトアウォーズ」を受賞! これまでTASKALの活動に参加してくれたサービス介助士の皆さま、共に取り組みを進めてきた日本ブラインドサッカー協会の皆さまに心から感謝いたします。これからも、誰もがスポーツを見たいと思ったときに、なんの躊躇もなく出かけられる環境づくりをしていきたいと思います。 9/1(土)に、日本サッカー協会(JFA)で開催された「JFAリスペクト・フェアプレーデイズ2018 リスペクトF.C.JAPANシンポジウム?スポーツと仲間?」において、日本ケアフィット共育機構と日本ブラインドサッカー協会が進めている「リレーションセンターTASKAL」の取り組みが、「リスペクトアウォーズ2018インクルーシブ賞」を受賞、表彰が行われました。TASKALの活動を通して、誰もが試合観戦を楽しめるように試合会場の環境整備に取り組んできた点が評価されての受賞となりました。 リレーションセンターTASKALの歩み リレーションセンターTASKALは、2014年から設置が始まり、スポーツや音楽イベントなど、4年間で121回、のべ911名のサービス介助士の皆様が参加・活躍してくれました。これからも、サービス介助士の活躍の場の提供と、どんな些細なお困りごとも「タスカル」場所として、誰もがスポーツ観戦を楽しめる環境づくりに貢献していきます。 ボランティア 11月1日は「サービス介助の日」 今年から、日本ケアフィット共育機構の創立の日でもある11月1日を「サービス介助の日」に制定しました。“サービス介助”は、実はとても身近なもの。誰もが日常で見かけたり、感じたりしています。具体的なお手伝いはもちろん、さりげない配慮、やさしい心使い、おもてなし、バリアフリーやユニバーサルデザインな設備・サービスなど。皆さんも少しだけ視点を変えて、周りを見渡してみてください。 サービス介助の日に行われた特別カンファレンスの様子。 インスタグラムで“サービス介助”な写真の投稿受付中! 日本ケアフィット共育機構公式アカウント carefit_official サービス介助の日を記念して行われたインスタグラムの“サービス介助な風景”投稿キャンペーンでは、たくさんのご応募をいただき、誠にありがとうございました。引き続き募集中ですので、ハッシュタグ #サービス介助士 #サービス介助の日 をつけて、街中で見かけたおもてなし、バリアフリー、さりげないお手伝いなどの“サービス介助”な写真を投稿してみてください。サービス介助士の皆さまもぜひPRにご活用ください! #富里スイカロードレース 給スイカ所でスイカのおもてなし♪ #サービス介助の日 #おもてなし #富里 #スイカ #ロードレース 苦手なものを除いて作られた、結婚式での特別メニュー。楽しく過ごしてもらえるように考え配慮された、友愛の一品♪ #さりげない配慮 #サービス介助 #おもてなし #ウェディング サービス介助士のいるお店を発見! カウンターにPOPスタンドがありました。 #サービス介助士 #旅行 #新しいお店 #おもてなし ケアフィットファーム ケアフィットファームに天空かぼちゃが実りました! ケアフィットファームがある山梨県甲州市のぶどう園は、人手不足などが原因で遊休農地化が進んでいます。そこでケアフィットファームでは、ぶどうの産地を守る取り組みとして、ぶどう棚を活用した「甲州天空かぼちゃ」の生産に取り組んでいます。通常は地面で栽培するかぼちゃですが、ぶどう棚を使い、宙に浮いた状態で栽培するのが天空かぼちゃの特徴です。太陽の近くで光を十分に浴びて、甘みたっぷり、うま味ぎっしり。地面に接していないので傷がつきにくく、形も整っています。 『地産CAFE&SHOPけあふぃっとふぁーむ』では、天空かぼちゃを使ったジェラートをつくって販売中。これからも天空かぼちゃをつかった加工品の開発・販売をしていく予定です。お楽しみに! お問い合わせ 公益財団法人 日本ケアフィット共育機構 甲州事業所 障がい者就労支援事務所 ケアフィットファーム 〒404-0033 山梨県甲州市塩山赤尾650   0120-102-339 FAX: 0553-39-8682 E-mail: koshu@carefit.org? P14-15 日本ケアフィット共育機構の学び≠体感! 介助士トピックス 日本ケアフィット共育機構が学びを提供する、防災介助士、認知症介助士、シニアフードアドバイザーに関する最新情報や、日常生活でも役に立つ知識をご紹介します。 防災介助士 防災・減災知識を学ぼう 第三回「スフィアプロジェクトとは」 2018年3月「防災介助士特別講演会」の内容をもとに、防災・減災のための知識を3回にわたってご紹介します。 東日本大震災において、災害が直接の死因ではない震災関連死は3000人以上。これは “防げる死”です。震災関連死を予防するためには、人道支援活動を行う国際機関などが中心となった「スフィアプロジェクト」の定めた「スフィア基準」を知り、遵守することがひとつの大きなポイントになります。例えばスフィア基準では、避難所のトイレひとつにつき最大20人の使用者と定められています。ですが、東日本大震災では5?60人がひとつのトイレを使用している例が多く見られました。冷蔵庫を避難所に設置しようと提案したところ「そんな贅沢はできない」と断られたという例もあります。いざというときのために、避難所における自分たちの権利を理解しておきましょう。 講師 石井 美恵子さん 災害医療スペシャリスト NPO法人 災害人道医療支援会(HuMA) 常任理事/東京医療保健大学 准教授/看護師 阪神・淡路大震災を機に東日本大震災被災地への看護師派遣など、世界各地での災害医療支援活動に携わっている。 認知症介助士 認知症と口腔ケア 第一回「突然口を開けてくれなくなったら要注意」 2018年9月の「認知症介助士特別公演」の内容をもとに、認知症と口腔ケアの関係性についてご紹介します。 認知症の症状が重度になると、箸やスプーンの使い方がわからない、食べるという動作がわからないといった症状が現れます。また、歯磨きのような日課に興味が湧かなくなる、うまく磨けなくなるといった段階を経て、虫歯や歯周病といった口腔トラブルが起き始めます。認知症のある方が、ある日突然口を開けてくれなくなり、食事もできなくなってしまうことがありますが、それは認知症の症状ではなくて、認知症のために口の中のトラブルを認識できず、異常や痛みを伝えられないからではないか、という可能性を疑ってみてください。日頃からそうした意識を持つことが、歯周病が悪化して重篤な状態になり、食べられなくなってしまうような状態の予防につながります。 講師 東京都健康長寿医療センター研究所 枝広 あや子さん 歯科医師、歯学博士。地域の高齢者や認知症の方への歯科的対応を行いながら、口腔機能、摂食嚥下障害、食事支援の研究に携わっている。 シニアフードアドバイザー 骨折に注意しましょう 高齢者の骨折は大変危険です。骨折そのものも身体への負担は大きいですが、骨折によって動けない期間ができてしまうことで、筋力が低下し、寝たきりの状態になってしまうリスクが高いためです。特に女性は閉経後のホルモンの影響により、骨粗鬆症を引き起こしやすいので注意が必要です。骨を丈夫にするには、食事、日光浴、運動が重要です。まずはしっかりと食事をして、ウォーキングからでも始めてみましょう。 予防ポイント 【食事】カルシウムの摂取とカルシウムの吸収率を高めるビタミン D(いわし、しらす、きのこなどに含まれる)、カルシウムが骨に沈着する際に必要なビタミンK(納豆、海草、緑黄色野菜などに含まれる)、そして骨を形成する際に必要なたんぱく質(肉、魚、卵などに含まれる)も摂りましょう。ただし、たんぱく質の摂りすぎは要注意です。 【日光浴】紫外線が体内でビタミンDを作ります。 【運動】吸収したカルシウムを骨に蓄えて骨を強くすることができます。 監修 江上料理学院 管理栄養士 吉野 愛さん ? P16-17 日本ケアフィット共育機構 そっと、さっと、あんしんを。 サービス介助士導入レポート 「社会福祉法人 文京区社会福祉協議会」 文京区内で活動する人たちの福祉活動を推進・支援している「文京区社会福祉協議会」では、今年、ボランティア団体「文京ささえ隊」を結成。参加者はサービス介助士の資格を取得し、その学びをボランティア活動で活用しています。文京ささえ隊のサポートをはじめ、さまざまなボランティア活動を推進されている平石さんと佐橋さんにお話を聞きました。 社会福祉協議会とは 社会福祉法に基づき、「地域福祉の推進」を目的として、全国・都道府県・市区町村のそれぞれに組織されている非営利の民間団体。地域住民や社会福祉関係者、保健・医療・教育などの関係機関の参加・協力のもと、誰もが安心して暮らすことのできる「福祉のまちづくり」の実現を目指しています。 全国のボランティア団体のモデルとなれる活躍を。 ??「文京ささえ隊」についてお聞かせください。 佐橋 2020年の東京オリンピック・パラリンピックでは、全国から多くの方々が東京を訪れ、文京区にお越しになる方も増えることが予想されます。なかにはご高齢の方や障がいのある方もいらっしゃいますから、今からしっかりとした技能と知識を備えたボランティア人材を育成しておくことが重要だと考え、「文京ささえ隊」を立ち上げました。 平石 サービス介助士資格の取得が参加の条件ということもあって、ほかの講座と比べてややハードルが高めだったのですが、嬉しいことに定員以上の応募があり、福祉に対する意識の高い人たちが集まってくれました。 ??サービス介助士資格を導入された意図はどんなところにあるのでしょうか。 佐橋 あくまでボランティアなので、専門的な介助技術というより、広範な知識と技能が得られる点を重視しました。そしてなにより、文京ささえ隊の活動では「おもてなしの心」が重要になります。街なかで困っている人たちに「なにかお手伝いしましょうか?」と声をかけられる人材を増やしていくには、サービス介助士が最適だと考えました。 ??サービス介助の学びはどのように活用されているのでしょう? 佐橋 文京ささえ隊の皆さんには、介助ボランティアとして活躍していただくほか、企業の新人研修での高齢者疑似体験や、小・中学生向けの福祉学習イベントでの車いす体験といった啓発活動のお手伝いをしてもらっています。 平石 メンバーはボランティア経験の豊富な方が多いのですが、資格を取得したことで、より自信を持って自分たちの経験や技術を伝えてくださっていると思います。「サービス介助士講座で学んだことで、自分ができることを見直すことができました」とおっしゃる方もいましたね。 ??今後の活動についてお聞かせください。 佐橋 文京ささえ隊の取り組みは今後も継続していく予定です。私たち文京区社会福祉協議会では、理念として、住民の皆さんの主体的な参加を重要視していますので、文京ささえ隊の皆さんには、ぜひともサービス介助の学びを生かして自主的な活動を強化していただき、全国のボランティア団体のモデルとなれるような活躍を期待しています。 平石 文京区社会福祉協議会では、行政やボランティア団体の皆さんとも協力して、小・中学生への福祉教育、さらにボランティア活動にとどまらない、地域の皆さんの居場所づくり支援にも取り組んでいます。高齢化や核家族化が進むなかで希薄になってしまった、近所の人たちと気軽に声をかけ合える地域の交わりを復活させ、互いに支え合い、助け合える、「だれもが安心して住みつづけられるまちづくり」を進めていきたいと思っています。 文京ボランティア支援センター 社会福祉士 佐橋(さはし) 拓也(たくや)さん 文京ボランティア支援センター 係長 社会福祉士 平石(ひらいし) 進(すすむ)さん 文京ささえ隊では、実施日以外にも必ず定例ミーティングを開き、実施の準備や振り返りを通して情報や思いの共有を図っている。 ? P18-22 Interview with top runners 楽しそうに働く人が増えるにつれて、職場の雰囲気が変わりました。 ――まずは総務部の松永さんに、アトレが“働きやすい職場づくり”を始めた経緯についてお聞きしたいと思います。 松永 改革が始まったのは、2014年に現会長の石司(※)が社長に就任したときからです。そのときに定められた企業理念“お客さまと地域の皆様に新しい価値を…いつまでも、しなやかに”の中で謳われている新しい価値を生み出すためには、社員が新しい発想を持ち、部署の垣根を超えて自由に議論しながら仕事をしていかなければならない、という思いがひとつ。それから、同時に定めたビジョン“アトレで働き続けられて幸せ”の実現、つまり従業員の満足度を上げること。主にそのふたつを目的として、オフィスの改装や人事制度の見直しを進めてきました。 ※石司次男(せきじつぎお)氏 ――とても素敵なオフィスですよね。こういう雰囲気の中で働いてみたいという方も多いのではないでしょうか。 松永 ありがとうございます。以前は部署ごとにキャビネットで隔てられた、いわゆる普通のオフィスでした。それを、固定席を持たないフリーアドレスにして、オフィス内を部署や役職を超えて自由に行き来できるよう変更したんです。最初は反対した社員もいたのですが、若手を中心に楽しそうに働く人が増えてくると、徐々にその人たちも変わってきて、今やこの光景が当たり前になっている印象がありますね。 ――そのような動きを、皆さんはどのように感じていましたか? 北川 これから会社が前向きに変わっていくんだろうな、という希望を感じていました。ちょうどオフィスが改装されるタイミングで産休に入ったので、復職するのが楽しみでしたね。 横山 フリーアドレスなので、ミーティングの場に役員が顔を出してくれるなど、役職に関係なく会話をする機会が増えました。その分、自分たちがこの会社を作っていくんだ、という経営目線の意識が芽生えた気がします。 ――人事面ではどのような改革が行われたのでしょう? 松永 当社は女性社員の比率が約6割で、出産適齢期の女性が多いという特徴があります。ですから、女性が働きやすい環境づくりを目指して人事制度を整備しました。子どもが中学校を卒業するまで活用できる時短勤務制度や、自己都合で退職した社員を再雇用するキャリアリターン制度、長期休暇を推奨するロンバケ制度などが特徴的なのではないかと思います。 ――今回集まっていただいた皆さんは、それらの制度を活用しながら活躍されていると伺いました。 高橋 私はキャリアリターン制度を使って復職しました。故郷の宮崎で街づくりに挑戦したいという思いがあって一度退職したのですが、宮崎で経験を積む中で、その経験を生かしてもう一度アトレで街づくりに携わってみたいという気持ちが募り、戻ってきたんです。 松永 この制度の根底には、外部で得た経験は必ず会社の役に立つという考えがあります。1年間休職を取れる制度もあるのですが、ある若手社員は今まさにその制度を活用して世界を一周しています。高橋さん同様、得がたい経験を持って復職してくれることを期待しています。 ――北川さんと横山さんは時短勤務を活用して、子育てしながら働いているそうですね。 北川 保育園への送り迎えがあったり、子どもが熱を出して急に休まなければいけなかったりしますから、時短勤務があるのはとても安心です。上司(男性)も子育て中なので、お互いにサポートし合える点、それから、会社全体で休暇を推奨しているので、自分が休みを多く取っていることに対して気詰まりになることがない点も、働きやすさにつながっていると思います。 横山 私は当初、時短勤務に抵抗感があったのですが、続けるうちに、生活と仕事を分けるのではなく、生活全体の中に仕事をどう位置づけるかというふうに考え方が変わっていったのが、仕事にも子育てにもよい影響を与えてくれたと感じています。この会社は子育てに寛容な雰囲気があり、お仕事体験会や運動会で会社の皆さんと子どもが顔を合わせる機会も多いんです。だからファミリー感が増すというか、生活の中での仕事のバランスを取りやすくなるんです。 ――制度を活用して、働き方や意識に変化はありましたか? 北川 限られた勤務時間の中で、タイムマネジメントを大切にするようになりました。仕事を自分ひとりで抱え込まずに、周りの人にサポートしてもらいやすくするといった意識は強く持つようになりましたね。 横山 周りとのコミュニケーションも大切ですよね。作業の進捗から、子どもが昨日咳をしていたからもしかしたら熱を出すかもしれない、といった話まで、常に上司や先輩と共有するようにしています。 高橋 私はふたりのようにライフステージが変わったわけではないのですが、ロンバケ制度を使って宮崎に通い、街づくりの情報交換を続けています。この先、二拠点生活のような働き方にも挑戦したいと思っています。 ――課題に感じていることはありますか? 高橋 働き方へのアプローチがそれぞれ異なる中で、どのようにチームワークを築き上げるかといった部分は、これからの課題かもしれません。 松永 そうですね。ショップで働くクルーの皆さんや障がいのある社員も含めて、すべての人が力を発揮し、仕事と家庭を両立しながら働けるように、引き続き企業としてサポートしていかなければいけませんね。 ――会社として、今取り組んでいることや目標についてお聞かせください。 松永 ますます増えることが予想されているインバウンドのお客さまや、社会的な課題であるバリアフリー、ジェンダーフリーといった部分の対応をさらに強化する必要があると感じています。これからも、誰もが働きやすい会社づくりを通じて、ご利用いただくお客さまの日々に、新しい価値と楽しみを提供していければと思います。 センスに溢れた内装の本社オフィスは、まるでカフェのような楽しい雰囲気。 INFORMATION 株式会社アトレのお話の続きは、 紲WEB版 “リベル・ケアフィット” でもご紹介しています。 https://www.carefit.org/liber_carefit/ 北川さん 横山さん 高橋さん 松永さん Interview with top runners 新しい価値を生み出す、“誰もが幸せに働き続けられる”職場 株式会社アトレでは、2014年から“働きやすい職場づくり”と称して、すべての社員が、仕事と自分の生活のバランスがとれるような“多様な働き方”を選択できるよう、働き方を見直す改革を始めました。 誰もが働きやすい環境は、共生社会の実現に欠かせない要素のひとつです。そこで、アトレではどんな改革が行われ、皆さんの働き方や考え方にどんな変化を与えたのか、お話を伺ってみました。 株式会社アトレ 運営推進部兼広報室 北川(きたがわ) 円呼(みつ こ)さん ボックスヒル取手店 営業課 横山(よこやま) 恵利香(えりか)さん 大森店 営業課 チーフエリアマネージャー 高橋(たかはし) 愛美(まなみ)さん 総務部 課長 松永(まつなが) 敏子(としこ)さん ? P23 Kizzna 見えなかった景色が見えてくる「気づきのマガジン」“紲” 018 2018 Winter 『紲 Kizzna』編集部がお勧めする映画 切なくて心温まるラブストーリー 「パーフェクトワールド 君といる奇跡」 主人公つぐみが 高校時代に好きだった樹(いつき)は 数年ぶりに再会すると、脊髄損傷により車いすに乗っていたーー。 仕事をきっかけに距離を縮めるふたりですが、たびたび引き起こされる合併症や周りの人々との関わり合いにより、その関係は変化していきます。 印象的なのは、脊髄損傷により褥瘡(じょくそう)ができ、入院せざるを得なくなった樹が、どうしてもやり遂げたいと仕事を続けるシーン。障害に屈することなく「今」を生きる想いの強さが溢れ、つぐみの中にも、あの頃と変わらぬまぶしくて真っ直ぐな樹への恋心が蘇ります。 車いすユーザーが抱える障害の程度や抱えている悩みはそれぞれ異なり、相手を知ることの大切さにも気づかされます。 目の前にいる大切な人をもっと大切にしたくなる、切なくて心温まるラブストーリーです。 [10月5日(金)全国ロードショー] 『パーフェクトワールド 君といる奇跡』 ?2018「パーフェクトワールド」製作委員会 『紲 Kizzna』について 気づきのマガジン『紲 Kizzna』は、公益財団法人日本ケアフィット共育機構が発行するフリーペーパーです。さまざまなコミュニティで輝く人々をご紹介することで、人と人とがつながり、共に生きる社会をつくり上げていくための情報を発信していきます。どうぞ手にとってご一読ください。 次号予告 『紲 Kizzna』vol.19は2019年2月25日(月)発行予定です。 表記マナーについて 近年、全国の自治体や企業において「障害者」の「害」という表記がマイナスのイメージを連想させるため、表記を「障がい者」とする動きが広まっています。『紲 Kizzna』でも、人を表す言葉を使用する際にはひらがな表記を基本としています。